竜王様のお気に入り
「それがコウリュウの出した策であるのなら、最善なのであろう。
…して、我はどのように死ねばよいのだ?」


「ご理解頂き、ありがとうございます。
陛下には、心の臓の発作を、起こして頂きたいと思います」


ハクリュウは、豪奢な真珠色のソファーに背もたれて、足を組み直した。


陛下の様子から機嫌を損ねず済んだ事に、イオリは少なからず安堵した。


「シリュウ様は、これで静まって頂けるかと思います。
そしてこの理由であれば、交代劇もスムーズに進行するはずだ。
…と、コウリュウ様は考えておられます」


「ほぅ…。それは得策だ。」


興味なさ気に陛下は呟いた。


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