竜王様のお気に入り
それからしばらく黙っていたのだが、竜王陛下はふと何か思い立ったようで、イオリに言葉を投げた。


「ヤヨイにも死んでもらうのか?」


「…っ…そう…ですね…。
考えておりませんでした。」


「一緒に死んだ方がよいなら、発作ではなく事故に致すか?
どんな事故がよいか…。
しかし、我が事故に合うなんて事は、無いからな。
いっそ、お前達に殺されてみるか…?」


いたずらっ子のように、ハクリュウは楽しそうな表情を浮かべて、ニヤリと口元を緩めた。


「竜王陛下…。
申し訳ありませんが、これはお遊びではございませんので…」


イオリは見たことも聞いたこともない、竜王陛下の笑顔や弾んだ言葉に、どう対処していいか分からず戸惑ってしまった。


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