竜王様のお気に入り
ハクリュウはヤヨイの囁きにくすぐったさを覚え、満たされる感情が溢れた。


そっとヤヨイを抱きすくめる。

「当たり前だろ。」


もう、二人を別つことは誰にも出来そうになかった。


―――。


コウリュウは、イオリを使ってシリュウを呼び寄せていた。


いつ見ても変わらぬコウリュウの美しさに、シリュウはため息を漏らす。


窓際に佇むコウリュウの横顔に、うっとりと見惚れているシリュウへ、突如信じられない言葉が降ってきた。


「シリュウには、事前に伝えておく。
竜王陛下が、崩御あそばしたのだ。」

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