竜王様のお気に入り
「ハクリュウ?
どうかした?」


少しの間物思いに耽ってしまっていたようで、ヤヨイに名を呼ばれたハクリュウは、我に返った。


「うん。
ヤヨイはなんて小さくて、柔らかいんだろうと思ってた。」


しっとりと黒く揺れる瞳がヤヨイを捉える。


「食べるには量が足りない?」


ヤヨイはまだ、本当に食べられると思っているらしい。


ハクリュウはヤヨイをベットに座らせて、自分も隣に腰かけた。


「ヤヨイ。
俺の味わうって、こういう事だよ。」


白銀の、豪奢な龍のたてがみが、なびく。


ハクリュウはヤヨイにそっと、覆いかぶさると、大きな極上のベットが軋んだ。

・・・竜王様の、食事が始まった。

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