竜王様のお気に入り
「ヤヨイはとても・・・甘い・・・。」


吐息と共に、ハクリュウは言葉を紡いだ。


ヤヨイは頬を紅潮させて、抵抗空しく身動ぎしている。


こんな風に体を抱きしめ触られるのは、ヤヨイには勿論初めての経験である。


唇に首筋に胸元に、裏返されて背中や太ももにも。


ヤヨイの全身を余すことなく、ハクリュウの舌が這っていくのだ。


「ハク・・・リュ・・・。
恥ずかし・・・。」


ハクリュウは甘美なヤヨイの生気を、一心不乱に自分の中に取り入れて、上質な食事の味に酔いしれた。


この状況が幸せすぎて、何も考えられなくなっている今のハクリュウに、ヤヨイの恥ずかしがる言葉などは、聞こえてこない。


一方のヤヨイも、恥ずかしさこの上ないのだが、生気を抜き取られている筈なのに、衰弱する処か体が軽く、満ち足りた気持ちにさえなっていくのだ。

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