竜王様のお気に入り
こんなにも満足感を得られた事に、実は、ハクリュウは少なからず戸惑いを隠せないでいる。


ヤヨイに溺れ、自分の気持ちを制御出来なくなりそうで。


そんな愛しいヤヨイは、初めて味わう体の感覚に酔って、ハクリュウの隣でグッタリと横たわっていた。


今まで通りの食事なら、自分の生気が満たされれば、食べ物には構わずに、ハクリュウはさっさと食堂を後にしていたのだが。


しかし、疲れて眠るヤヨイを見ていると、ふつふつと愛しい気持ちが沸き上がってきてしまう。


ハクリュウはヤヨイをそっと抱きしめてから、無意識に布団までかけていた。


「やっと見つけた。
ははっ･･･。
竜王様のお気に入りってか･･･。」


自嘲するような照れた表情で、ハクリュウは呟く。


･････コンコンコン。


余韻に浸る間もなく、不意に部屋の扉が叩かれて、ハクリュウは現実に引き戻された。
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