竜王様のお気に入り
ハクリュウはそのコウリュウの態度に、軽く目を細めた。


「不満か?」


ハクリュウはヤヨイを無視した自分を、咎めているのだ。


ハクリュウの低い声は、コウリュウを引き締めた。


「全ての事にヤヨイは関係ない。
指示は皆、我の意思だ。
ヤヨイに余計な感情をぶつけるな。」


「・・・!」


「もし、我の預かり知らぬ所でヤヨイに危害が及んだ時は、例え相手がお前といえども、容赦なく消すぞ。」


コウリュウの背中を冷たい汗が流れた。


本当に消される。


竜王陛下が、躊躇いを見せる事などないであろう。

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