竜王様のお気に入り
コウリュウは耳を疑った。


「ヤヨイ・・・様にですか?」


天界統一に関わる大事な話を、語れと?


しかも人間の生け贄ごときに。


「そうだが?」


ハクリュウは相変わらず、涼しい顔で言う。


「今ここで、でしょうか?」


「駄目か?」


コウリュウは妖艶な視線を、ヤヨイに向けた。


するとヤヨイは、自分達のやりとりを聞いて、かなり狼狽えている様子であった。


胸の前で両手を握り、切ない表情を床に投げていたのだ。


ハクリュウが本当に竜王様であることを、まざまざと見せつけられ、そして自分が頼んだお願い事のために、二人は揉めている。


その事にヤヨイは、かなり動揺していた。

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