竜王様のお気に入り

ヤヨイはハクリュウの態度に、疑問を感じ始めていた。


ハクリュウの言動は生け贄に接するものでは、多分、ない。


前にふと浮かんだ違和感が、心に何故か残る。


「私は巫女に間違われて、連れてこられたのではないの？
私は、竜王様の食事になる為に、ここに居るんだよね？」


ハクリュウは軽く笑う。


「ははっ･･･。
間違ってなんかないよ。
俺が自分の意思で、お前をこの部屋に連れてきたんだ。
ヤヨイを単なる食事だとは思えないよ。
他の巫女達と同じようには、考えられない。」


ヤヨイは不思議そうにハクリュウを見た。


「じゃあ、今までの巫女様達ってどうしてたの？」


当然の疑問であった。