竜王様のお気に入り
「コハクの事を聞きたいって顔してる。」


ハクリュウはヤヨイの気持ちを先読みして笑った。


「もう・・・!」


ヤヨイは怒った素振りをしてみせたものの、その通りだったので反論は出来ない。


「後で、イオリに聞くといい。
あいつはコハクの世話係だったから。
今は小間使いとして、コウリュウに仕えてもらってる。
あぁ・・・。
ちなみにコウリュウは、俺の弟ね。」


「えっ、弟?
コウリュウさんって、ハクリュウの弟なの?
なのにあんな酷い事をしたの?
信じられない。」


「先にヤヨイに酷い事をしたのは、コウリュウの方じゃないか。
当然の仕置きだよ。
良くも悪くも、ヤヨイに興味を持ったみたいだしね。
・・・まったく厄介だ。」


そう言って、ハクリュウは憮然とした。

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