竜王様のお気に入り
兄弟同士でありながら、そうである事を感じさせない接し方は、ヤヨイには考えられない関係だった。


妹のコハクとも、あんな他人行儀な付き合いだったのだろうか。


ヤヨイは考えずには、いられない。


ヤヨイにとっては、サツキやキサラギと居る時が、何より寛げる場であったからだ。


姉妹で語り合い、笑い合い、たくさんの時間を共有してきた。


そんな事に思いを巡らせていると、ヤヨイは急に淋しい気持ちになってきて・・・。


「姉様・・・。
キサラギ・・・。
今頃何しているのかな。
きっと私の事、心配しているんだろうな。」


ヤヨイはハクリュウの胸に、コトンと頭を預けた。

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