涙なあたしと笑顔なあなた
「ねぇ聖」
「ん?」
「3-cってどこだろう...」
学校に来て迷っちゃったあたし。
「・・・あのさ、さっき先生が説明してくれただろ?俺は俺のクラス行くから。じゃな」
「ちょ、ちょっと~!!!」
・・・。
・・・・・・。
「うぅ・・1人残されても・・・」
あたしが方向音痴なの知ってるくせにー!!!
聖のばか...
「あの・・・春・・さん?」
1人でぶすくれてると、後ろからあたしの名前が呼ばれた。
「へ?あたし?」
転入1日目だからあたしの名前が呼ばれるって事はまずないと思うんだけど・・・。
あたしはちょっと首を回してあたしの名前を呼んだ人を見てみた。
あたしの背後に居たのは────
「そう、君。もしかして転校生?俺、クラス委員だから君の事迎えに来たんだけど」
満面の笑みのイケメンだった。