涙なあたしと笑顔なあなた
「瑞希ごめん、別れて」
泣きながら頭を下げる俺の彼女、麻衣。
俺はいまいち状況が理解できずにいた。
告白してきたのは麻衣だった。
麻衣は俺の事大好きって言ってくれて、俺もそんな麻衣が大好きだった。
毎日2人で手つないで帰って、たまには寄り道とかして。
昨日だって一緒にアイス食べに行ったじゃん・・・。
「なんで?」
そればっかりだった。
訳分かんなくて。
次の麻衣の言葉で俺の頭は殴られたみたいに痛くなった。
「あたしね・・・瑞希のファンの子にいじめられてた。・・・付き合ってから3カ月、ずっとね・・」
いじめ・・・?
ファン・・・?
気付いてなかった。
3か月も一緒に居たのに。
「・・・ごめんな」
好きなのに、俺の口からはそんな言葉しか出て来なかった。
"俺が傷つけた"
自分の事しか考えれてなかった自分が悔しかった。