涙なあたしと笑顔なあなた
「っ・・・春ちん!!」
叫んで駆け寄って来る緩奈ちゃん。
「いや・・死んじゃう・・・びょういん?・・・警察・・・?」
泣いてる緩奈ちゃん。
ケータイを取り出して挙動不審になっている。
番号を押そうとする緩奈ちゃんの手を、血がついた手で止めた。
「大丈夫だから・・・落ち着いて?」
「でも、春ちん・・・」
泣きめな緩奈ちゃんに笑顔を見せる。
「思ったより深くないからっ・・・歩いて行けるよ」
「っ・・・緩奈はどうしたらいいの?」
「先生に具合悪いから早退したって言っといて・・・」
「ぐすっ・・・わかっ・・た・・」
走り出す緩奈ちゃん。
あたしはお腹を押さえて歩き出した。