蝶々〜秘蜜の恋〜
第1章
奇跡
___神様は不平等だ。
大雨の中、1人で虚しく傘をさしながらそう思った。
まだ15歳のあたしに、なにもかも失わせて、
1人ぼっちにするなんて...
どこも行く当てのないまま、駅裏にたたずむ。
もう3時間も経過した。
誰も声なんかかけてくれる人はいない。
制服は雨のせいでびしょぬれ。
ふいに、瞳から滴が落ちてくる。
濡れた前髪から落ちてきた滴だろうか。
それとも、あたしが発した滴だろうか。
もう、あたしの心はズタズタだった。