アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
◇夢のおわり

友樹と出逢ったのは冬コミの帰りだった。
とても冷え込んだ日で、箱が破れて途方に暮れていた私に声をかけてくれて、重い荷物を運んでくれた。
お礼をしたくて連絡先を聞いたら、福岡の人だったのでびっくりして、帰りの飛行機も一緒でまた驚いたっけ。

連絡を取り合うようになって、会うようになるのに時間はかからなかった。
お互いの年齢を知って、更に驚いたっけ。
一緒に居ても疲れなくて、何より好きな事を隠さなくていいのが楽だった。

私は結婚願望の欠片もなかったけど、20代最後の年に友樹から結婚する?と突然言われて、特に断る理由もなかったのでそのまま結婚することになった。
もちろん、友樹と愛し合っていると思っていたし。
コミケで知り合うような関係だったから、趣味を規制されることもなく、腐女子友達からはすごく羨ましがられたっけ。

結婚して分かったことも色々あったし、問題がないわけではなかったけど、深刻な揉め事もなく一緒に生活できている。

このまま歳をとって行くのだと思っていた。
今までは。

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