アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
救急病院に着いても涙が止まらなかったけど、そのまま中に入った。
受付の女性が驚いて、すぐに診察室に案内してくれた。
先生も慌てて診てくれて、色々検査をしてもらう。
左の前足を酷く打って腫れていたけど、骨に異常はなかった。
体もあちこち調べてもらってどこにも異常はないですよと言われ、ホッとした。
心配だったら明日かかりつけの病院に行くよう勧められ、しばらく痛いだろうからと軽く固定してもらい、痛み止めの注射を打って薬をもらう。
「動物は治癒力が高いから大丈夫ですよ、飼い主さんが泣いてる方が心配しますよ」
先生からそう言われて、ありがとうございましたと頭を下げるしかできなかった。
ぷう太は痛みがなくなったのか、帰りの車では尻尾を振って外を眺めていて、安心したらまた涙が出てきた。
病院を出る時に大丈夫だったと連絡しておいたせいか、ドアを開けると友樹とモモ達が待っていた。
不安そうな顔の友樹にもう一度説明する。
「骨折はしてなかったよ。明日もっかい病院いってくるね」
ぷう太は待っていた3匹に囲まれて顔や前足を舐められている。
「ごめん」
「ごめん、ぷう太」
「ごめん、沙理」
ぷう太を撫でている友樹は真っ赤な目をしていて。
「私こそごめんね、きつい言い方して」
(ごめんね)
本当のことは口が裂けても言えないけど。
悪いのは私。
守らなきゃ。
ぷう太達を。
この家族を。
「お腹すいたよね? ご飯作るね」
キッチンで1人になった途端、体が震え出した。
さっき、あんなに泣いたのに、また涙がぼろぼろ溢れる。
あの人の声が聞こえる。
――沙理といると俺が幸せなんだよ
――愛してる。
足元でモモが私を見上げて尻尾を振っている。
「ごめんね、大丈夫だから」
他の3匹もやってきて座り込んだ私の膝に乗ってくる。
「重いよ」
手を顔をぺろぺろ舐められても涙が止まらない。
ぷう太の前足の包帯が痛々しくて、撫でていたら友樹もキッチンに様子を見にきた。
泣いている私を抱きしめながら自分も泣いて。
ごめん、と繰り返される。
ごめんね。
こんなの、本当にもうだめだ。
もう終わりにするから。
その夜はみんなで一緒に寝ることにした。
全然眠れる気はしなかったけど、友樹はレオを抱いてすやすや眠っている。
久しぶりにまじまじと寝顔を見て思った。
顔、綺麗だよね
目元が三神さんに似てる
この状況でそんなことを考えるなんて。
心底、自分に呆れたが、私は三神さんに連絡しようと決意していた。
それをいつにしようか考えながら、夜明けが来るのを待った。
受付の女性が驚いて、すぐに診察室に案内してくれた。
先生も慌てて診てくれて、色々検査をしてもらう。
左の前足を酷く打って腫れていたけど、骨に異常はなかった。
体もあちこち調べてもらってどこにも異常はないですよと言われ、ホッとした。
心配だったら明日かかりつけの病院に行くよう勧められ、しばらく痛いだろうからと軽く固定してもらい、痛み止めの注射を打って薬をもらう。
「動物は治癒力が高いから大丈夫ですよ、飼い主さんが泣いてる方が心配しますよ」
先生からそう言われて、ありがとうございましたと頭を下げるしかできなかった。
ぷう太は痛みがなくなったのか、帰りの車では尻尾を振って外を眺めていて、安心したらまた涙が出てきた。
病院を出る時に大丈夫だったと連絡しておいたせいか、ドアを開けると友樹とモモ達が待っていた。
不安そうな顔の友樹にもう一度説明する。
「骨折はしてなかったよ。明日もっかい病院いってくるね」
ぷう太は待っていた3匹に囲まれて顔や前足を舐められている。
「ごめん」
「ごめん、ぷう太」
「ごめん、沙理」
ぷう太を撫でている友樹は真っ赤な目をしていて。
「私こそごめんね、きつい言い方して」
(ごめんね)
本当のことは口が裂けても言えないけど。
悪いのは私。
守らなきゃ。
ぷう太達を。
この家族を。
「お腹すいたよね? ご飯作るね」
キッチンで1人になった途端、体が震え出した。
さっき、あんなに泣いたのに、また涙がぼろぼろ溢れる。
あの人の声が聞こえる。
――沙理といると俺が幸せなんだよ
――愛してる。
足元でモモが私を見上げて尻尾を振っている。
「ごめんね、大丈夫だから」
他の3匹もやってきて座り込んだ私の膝に乗ってくる。
「重いよ」
手を顔をぺろぺろ舐められても涙が止まらない。
ぷう太の前足の包帯が痛々しくて、撫でていたら友樹もキッチンに様子を見にきた。
泣いている私を抱きしめながら自分も泣いて。
ごめん、と繰り返される。
ごめんね。
こんなの、本当にもうだめだ。
もう終わりにするから。
その夜はみんなで一緒に寝ることにした。
全然眠れる気はしなかったけど、友樹はレオを抱いてすやすや眠っている。
久しぶりにまじまじと寝顔を見て思った。
顔、綺麗だよね
目元が三神さんに似てる
この状況でそんなことを考えるなんて。
心底、自分に呆れたが、私は三神さんに連絡しようと決意していた。
それをいつにしようか考えながら、夜明けが来るのを待った。