アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】


「福岡から来てくれたんだよね?」

「ええ……ぇええ?」

肯定しながら語尾が上がってしまった。

三神さんはさすがにあれだけの人数は覚えてないけどと前置きして、

「君、印象に残ったんだよ」

と言った。

「あ、そうですか」

人間って凄い。
こんなに混乱していてもちゃんと会話できるんだ。

でも、私なに言ってるの?


丁度紅茶が運ばれてきた。
三神さんの前にも同じカップが置かれる。

上品な紅茶の香りで、はっと我に返った私の脳はフル回転しだした。


サイン。
サインもらえないかな。

バッグの中身を思い浮かべたが、ボールペンも紙も入っていない。 
でもこんなチャンス二度とないのに。

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