アラサーだって夢をみる【12/23番外編追加】
羽田までそんなにかからないと聞いてちょっと残念になった。
でも最後にドライブ出来ただけで十分だと自分に言い聞かせていると、三神さんが話しかけてきた。
「家は空港から遠いの?」
車で数十分くらいだと答えるとまた聞かれた。
「車、空港に停めてるの?」
「いえ、迎えに来てくれるので」
誰が、とは言わなかったが、三神さんは「そう」と言ったきりそれ以上聞かなかった。
夕食の時、ぷう太達の話をしていて、留守の間は夫と母が面倒みてくれていると話した記憶があるし。
そういえば……。
友樹の事を思い出したのは凄く久しぶりな気がした。
飛行機に乗る前に連絡するのを忘れないようにしないと。
母にもお土産買って、帰ったらぷう太達と一杯遊んで。
現実に戻る準備を整える。
夢を見ていい時間は終わったのだから。
道路の上の標識に羽田空港の文字が見えて、私はぎゅっと手を握り締めた。