恋愛小説のススメ
第１章

約束

あたしの彼氏は少し変わってます。








いつもよりちょっと寒い朝、信号待ちをしている彼を見つけた。



あたしの自転車のブレーキ音を聞いて振り向く彼。


「おはよう。優くん。今日は自転車じゃないの？」

「うん。早く起きて時間あったからなんとなく歩いてみたんだ。」



彼の家はあたしの家の隣で、学校へは歩いて４０分くらい。


普通の人は早起きして時間があったら、たいてい家でゆっくりして行くでしょ？



これが彼の普通の人との違い。




何かあったら、普通の人と少しずれた行動をとる。


彼とは中学からの知り合いで、あたしのお母さんと彼のお母さんが仲が良いのがきっかけで知り合った。



中学では１度だけ同じクラスになって、隣の席にもなった。


授業中、彼があまりに真剣にグラウンドを見てるから、“何見てるの？”って聞いてみた。



そしたら彼、“体育の先生のジャージ。センス悪いよね。ピンクと黄緑、短パンの下の靴下なんて青だ。”だって。



あたしはてっきり、体育の授業を見てるのかと思っていたのに、以外な答えに戸惑った。



彼はそれに気付いたのか、“ほら、見て。”と空を指差した。


あたしは言われるがままにその指の先を見る。
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