恋愛小説のススメ
「楓、1回ちゃんと話した方がいいよ。それで本人の口から聞いたら?あたしはその方がいいと思うよ?」



未来が俯くあたしの顔を覗きながら言ってくれた。


「うん。分かった。」


あたしの声を聞くと、夏美が立ち上がって背伸びした。



「よっしゃっ!聞くのは明日以降にしな。今日はあたしがいいとこ連れてってあげる。」

「「いいとこ?」」


あたしと未来に優しく笑いかけた。












「夏美……いいとこって……ここ??」


あたしはとりあえず周りを見て、もう一度改めて現在地を確認する。



バットがボールを打つ金属音。


ゲームコーナーの賑やかな音楽。


何台か並んでいる自動販売機。





夏美が連れてきた場所は、近くのバッティングセンターだった。




「何でバッティングセンター?!ってかあえてバッティングセンター?!」


未来が自動販売機のジュースを物色しながら夏美に言う。




未来の質問にも動じず、夏美は千円札を両替し、バットを持った。


「やっぱさぁ、何かあったときはここが一番だって!打ったらスッキリするよ?」



ボールが夏美目がけて飛んでくる。




カキーンッ!
< 12 / 21 >

この作品をシェア

pagetop