恋愛小説のススメ
「あっ、ダメだ。全然飛ばない。いつもはもっと飛ぶんだけどなぁ。」


夏美は飛んでくるボールを、2球も3球も打っていった。



「よしっ、あたしもやろっ!」


未来も財布をカバンから取り出して、夏美の隣へ入った。




「ほらっ、楓もやりなよ。スッキリするよ?」


あたしは親友二人の優しさを感じながら、カバンから財布を取り出し、夏実の隣の機械にお金を入れた。





カキーンッ!!



気持ちいいほど響く金属音。



「楓!この際言っちゃうけど、あんたは頑張ってるからねっ!自信持ちなよ?!」


バットをおもいっきり振りながら、夏実が言った。



「うん。」

「あんたはちゃんと考えてるし、アイツのこと純粋に想ってる。何も心配しなくていいからねっ!!」

「………うん。」



やっと全球打ち終わったのか、隣でずっと聞こえていた金属音が消えた。


「何泣いてんのよ?しっかりしなっ!あんたは最高の彼女だよっ!!」




夏実があたしの方を見たとき、もう既にずっと我慢してた涙が溢れ出ていた。


「だって…………夏実……男前なんだもん。」



あたしはもうバットを振るのも忘れて、ただその場で泣きじゃくっていた。
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