恋愛小説のススメ
そんなあたしを見て、未来がバットを投げ捨てて駆け寄って来た。



「楓?何ッ?!どうしたの??」


何も聞こえてなかった未来は、あたしを見てオロオロしていた。




「あははっ!もう何か悩んでたのが嘘みたいっ!!二人共ありがと。帰ろっか!」


あたしは涙を拭いて、二人に笑いかけた。









帰り道、辺りはもう薄暗くなっていた。


「じゃ、気を付けて帰りなよ?」

「うん。大丈夫。今日はありがとね。」



二人とは道が違うため、あたしたちは途中で別れた。


明日ちゃんと聞こう。


あたしの見間違いだったのかもしれないし。


やっぱり根拠も無いのに疑うのはいけないよね。




そんなことを考えながら、あたしはゆっくりと歩いていた。



突然後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「でね、今度の日曜でいいかしら?」

「はい。明穂さんの都合の良い日でいいですよ。それと今度……。」



やっぱり……優くんだ…。


どうしよう。


多分気付いてないよね?



振り向いて聞いちゃおうかな……。


よしっ!




あたしは覚悟を決め、浮気かどうか確かめるために振り向いた。
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