恋愛小説のススメ
初めて知った。


優くんにそんな才能があったこと。




あたしはすごい勘違いをしていたのを思い出し、急に恥ずかしくなった。



「ごめん。あたし何か……変な勘違いして。でも、何で教えてくれなかったの?」


しばらく黙って、優くんは顔を少し赤らめながら言った。


「だってさ……なんか恥ずかしかったんだよ。自分から言うのも何か嫌だったし。」



可愛い。


照れてこっちを見ない優くんを、あたしはただ愛しく思った。



「あっ!で、その女の子は結局だれなの?!あたし勘違いしてたっていうか、肝心なこと何も聞いてないじゃんっ!!」


「あぁ、彼女は……。」


「編集者の中川です。」




えっ?!



優くんが話す前に、女の子が口を開いた。


「えっ!失礼ですけど……お幾つですか?」



あたしはあまりにも動揺しすぎて、唐突に聞いてしまった。


だってあたしより3つも4つも年上になんてとても見えなかったから。



彼女の身長はだいたい150ちょっとであたしより低くかったし、顔も化粧はしてるけど少し童顔だった。



「21です。見えないでしょ?よく言われるの。」



21ってことは、あたしが17だから………4つも年上?!
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