恋愛小説のススメ
信じられない。


失礼だけど……同じ年だと思ってた。




「で、さっき会う約束をしていたのは締め切りが迫ってるから。打ち合わせとかいろいろあるんだよ。」



優くんが中川さんの後に続いて説明した。




ってことは………あたしの全くの勘違い。


恥ずかしい。


一人で浮気だって勝手に思い込んで、勝手に心配して、勝手に怒ってたんだ……。


あたしってなんてバカなのっ?!って改めて思った。



「楓ちゃん……だったよね?」

「はいっ!」



突然話しかけられたから、あたしはびっくりして声が裏返ってしまった。



そんなあたしを見て少し笑いながら彼女は言った。


「ごめんね。変な心配かけちゃって。でも、優也くんがいい作品を書けるのはあなたのおかげじゃないかな?あなたがこんなに優也くんのこと想ってるから、優也くんもいい作品が書けるんだと思うよ?」



あたしには中川さんの言ってることが理解できなかった。


なんであたしのおかげなの?



「ねぇ、優くんが書いてる小説って何なの?」

「えっ?!」

「あるじゃない。推理小説とか。ジャンル?みたいなの。」



あたしは気になったことを聞いてみた。
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