恋愛小説のススメ
第2章

恋人?

つい先日、優くんの秘密を知ってしまいました。


あたしの彼氏は、恋愛小説を書いてる。らしいです。



「おかしい。」



そう呟きながら、あたしは優くんが書いた本と睨めっこしていた。


「何で恋愛小説は書けるのに現実の恋には疎いの?やっぱりおかしい。」

「もいいい?楓さんにその本読まれるの恥ずかしいんだけど。」


また優くんが顔を赤らめて、あたしの手から本を取り上げた。




「あっ!何すんのっ!!まだ読んでる途中ですからっ!」


取り上げられた本をもう一度手に戻す。



「あたしってさぁ、優くんの彼女なんだよね?恋人なんだよね?おかしくない?あたしたちまだ手も繋いだことないんだよ?!カップルとしてどうなのかなぁ。」

「何?楓さんは手が繋ぎたかったの?」



そう言うと、あたしの手をとって指を絡めた。


「これで満足?」



ってかいきなり繋ぐ?!


しかも初っぱなから恋人繋ぎだし。


優くんって実は天然でタラシ?(笑)



「楓さん?どうしたの?」

「あっ、いやっ!何でもない!」




あたしは繋いでいた手を離した。


「あっ、もう4時だ。そろそろ原稿書かないと。ってことで、楓さん、今日は帰ってね?」
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