桜と抹茶と、彼。
とりあえず、紹介しておこう。
この学ランを着た男、
柊 修一(ひいらぎ しゅういち)は、代々続く大富豪の跡取り息子。
髪の色は明るい茶色で、瞳も似たようなきれいな色をしたブラウン――
この時代では珍しい“クウォーター”の1人だ。
どうやら、
私に一目惚れをしたらしく、
毎日学校帰りにお店にきて私を口説いている。
…正直ウザい。
だって、私日本人よ!?
そんなこと言われても嬉しいっちゃ嬉しいけど…
……ん?
いやいや嬉しくない!
嬉しくないから!
『君は俺の天使…』
『俺の心は君のものだよ…うわー、俺なんてかっこいいこと言うんだろうッ♪』
…などを、
毎日言ってくる
ちょっと…
何言ってんの?
1人で何言ってんの?
しかも自分の言ったことに
カッコいいだなんて…
誰かこの人どうにかしてーッ!!?