桜と抹茶と、彼。
「あ…」
窓の外を見て、
柊さんが呟いた
「どうしたんですか?」
「いや…もう木の葉が紅くなってるなって思って…」
そして、
今までみことのない優しい表情をしていた
柊さん、
こんな顔するんだ…
「覚えてる?」
「え?」
「俺たちが初めて会った日。俺が桜子に恋に落ちた日」
「……」
「もう半年経つんだよ?早いよねー」
柊さんと出会って、
もう半年も経つんだ…
月日が経つのって、
意外と早いものだね
だって
こんな人の対応に
慣れちゃうんだから…
そしてまた、
柊さんがぼそっと呟いた
「俺、桜子と出会う前って、どんな生活してたんだろ…」
「……」
一瞬、
切なそうな顔をした
私は、
柊さんの出会う前を知らない
どうして
そんな顔をしたのか。
どんな
過去があったのか。
そして、
どうして
そんな柊さんが気になるのか…
私はよく分からない