愛を待つ桜
一条悠は高校3年、いわゆる受験生だ。
彼はかなり真面目なタイプで、希望する大学の模試は常にA判定。教師は口をそろえて、このままでいけば間違いない、と言うのだが……。
その反面、気負い過ぎて本番でコケる可能性があるため、力を抜くことを覚えろ、とも言われている。
今回の旅行は、ともすれば勉強一色になりがちな、悠の気晴らしに計画されたものでもあった。
「お兄ちゃん! 抱っこ!」
顔をベタベタにしながらソフトを食べ終え、今度はふれあい広場に行きたいと悠にねだる。
「判った、判った。でも、父さんと母さんと真を探さないと……」
紫の口元を拭きながら悠が口にすると、
「お父さんとお母さんは、なんかふたりで楽しそうに馬とか触ってたよ。真は芝滑りではしゃいでたけど」
ひと足先にソフトを食べ終えた桜が、何でもないことのように言っている。
彼はかなり真面目なタイプで、希望する大学の模試は常にA判定。教師は口をそろえて、このままでいけば間違いない、と言うのだが……。
その反面、気負い過ぎて本番でコケる可能性があるため、力を抜くことを覚えろ、とも言われている。
今回の旅行は、ともすれば勉強一色になりがちな、悠の気晴らしに計画されたものでもあった。
「お兄ちゃん! 抱っこ!」
顔をベタベタにしながらソフトを食べ終え、今度はふれあい広場に行きたいと悠にねだる。
「判った、判った。でも、父さんと母さんと真を探さないと……」
紫の口元を拭きながら悠が口にすると、
「お父さんとお母さんは、なんかふたりで楽しそうに馬とか触ってたよ。真は芝滑りではしゃいでたけど」
ひと足先にソフトを食べ終えた桜が、何でもないことのように言っている。