月夜のウタヒメ
顔は笑っていても心のなかでは決して笑顔ではない気がする。
そう・・・
どちらかといえば憎しみ?に近いような感じ・・・
「レオンはどこにいる?用がある。」
「レオン様はまだ図書館から帰ってきておりません。申し訳ございません。」
「そうか、勉強熱心なのはけっこうだが、まったく。
レオンが帰ってきたら私の部屋に来るように伝えておけ。」
「承知いたしました、女王陛下。」
「では、参ろう。」
きらびやかな女王陛下が帰っていく。
ここは、本当に怖いところだとつくづくよく実感した。
ユタ様のところは本当に平和だったと思う。
さっきの女王陛下、この美しい宮殿に本当に似合っていた。
宮殿の彫刻、絵画、
どれにも負けていなかった。
そういう面でここは、
「楽園」なのだろう。
でも、さっきの女王陛下。
そしてまだあたしが知らない人たちも・・・
「落園」の住民でもあるのだろう。
まぁ、これは怪盗の勘だけど、、、。