月夜のウタヒメ
ロッセン・・・
北にある小さな田舎街。
なんでそんなところに?
そんなわざわざ行くようなところじゃ普通ないと思う。
「お嬢さん、到着したよ~。
この街にわざわざ都からくる人なんて珍しいね。」
「そう・・・ですよね~」
「ここに来たなら、オリタの丘おすすめだよ。
南のほうの崖のとこにあるんだけどね、今日はきっと月が綺麗だよ~」
「月ですか・・・行ってみますね。
ありがとうございました。」
「はいよ~」
あたしは馬車から降りた。
ついたときにはもう、夜。
ベンさん夜になってるよ・・・
でも・・・
なんだか綺麗なとこだなぁ・・・
明かりっていっても外灯はポツリポツリしかないけど、、、
近くで聞こえる虫の声。
風の音。
雑音のない世界。
こんな夜、思ってみれば久しぶりだ。
静かで、落ち着いてて・・・
癒されるってこういうことなのかな?
髪、ほどこうかな~・・・
このほう楽だし。
手紙、そのあとでもいいよね。