Game Over










「もう大丈夫だよ。
ごめんね、心配かけちゃって。」


シュンッとした顔で
こっちを見る麻里に、


「ならいいよ。教室戻ろ?」


と声をかけた。
「うん」と頷く麻里を見て
私も頷き、一緒に歩き出す。




この時、
私はもっと麻里と向き合えば
あんな事には
ならなかったのかも知れない。





✝✝✝





それからは何も無かった。
普通の日常。平凡な。


でも、それが長くは続かなかった。


『麻里ね、
全然起きないのよ。
布団を剥がしてみたんだけど、
汗が凄くてね。
今日は休ませる事にしたわ。
ごめんなさいね』


ある日の朝。
私はいつもの様に吉野家の
インターホンを鳴らすと、
麻里のお母さんの
そんな言葉が返ってきた。


私は


「分かりました、
ありがとうございます」


ペコリと軽く会釈して、
インターホンへ視線を向ける。


その次にはインターホンとの
接続は切れていた。




麻里の部屋を見上げ、


「大丈夫かな...」


ぼそりと呟いて、
私はその場から離れて
学校へと足を向けた。









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