ラブ・パニック【短編】


だって、ありえない。


「……舞さんは? 柚木さんには彼女がいるのに、悪ふざけはやめてくださいよ」



「本気だ。舞には、『好きな子と付き合える見込みがないなら、付き合ってくれ』と、強引に押されて付き合いだしただけなんだ。バレンタインに里緒ちゃんからチョコをもらえなくて、諦めてしまって。でも、今日、一緒にいてわかったんだ。俺が好きなのは舞じゃなくて、里緒ちゃんだ」



あたしと東くんの関係と一緒だ。



あたしは柚木さんが好きで、あたしも柚木さんが好きで。


でも、どうしてだろう。


うなずけない。


脳裏には、東くんの笑顔がちらつく。



「あたしは−−……」

< 14 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop