ラブ・パニック【短編】
次の日、ドキドキな気持ちでバイトを迎えた。
いつの間にか東くんを好きになっていた。
でも、昨日、柚木さんとキスしかけたわけで。
柚木さんはあたしと両思いになれたって思っているよね?
柚木さんと舞さんがどうなったのかも気になる。
「おはよう、里緒ちゃん」
裏口のドアを開けた瞬間に、柚木さんに笑顔で話しかけられ、心がざわついた。
「お、おはよう、ございます」
「俺さ、舞と別れたから」
「え−−」
「俺と付き合ってくれるでしょ?」
「ご、ごめんなさい」
ガバッと頭を下げた。
90度直角。
怖くて、頭を上げられない。
「柚木さん、すみません。オレとコイツは別れる気ないんで」
ぎゅっと目をつむって柚木さんの反応を待っていると、後ろから予想外な声が響いた。