【短編】ロック☆チョコレート
2nd rock☆ロックンローラーは意気地無し!?
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勘違いであって欲しかった。
勘違いであって欲しかったんだけど、あたしの目は無条件に彼を見る。
隣の、前の前の前に座る彼。
この角度から見る中山奏弥も美しい。
「み、南!」
彼を見ている最中(さなか)隣の席に座る高木くんがあたしの後ろを苦笑いで指差す。
「へ…?」
「へ?じゃないだろっ!」
いきなりの大声にビクッと身体が固まる。
あ、しまった。
「誰の授業受けてるんだお前は」
「世界一声のでかい中山先生です」
てへっ。
あたしの発言にみんなが笑う。
「っお前なぁ…!」
「お前じゃありませんー。南未歩ですぅ」
「……。後で50冊の辞書を図書室に返さなきゃならないんだが、南未歩、やってくれるよな?」
え゙……。