【短編】ロック☆チョコレート
そして、約1時間のライブはあっという間に過ぎてしまった。
…短い。
もっと聴いていたかった。
もっともっと浸っていたかったのに。
あのギターの音が、頭の中を何回も何回も往復して離れてくれなかった。
そのせいで結局高木くんとのデートにも集中できなかったし。
……虜にされたんだ。
ギターを華麗に弾く中山奏弥を思い出すと、時間が経った今でも胸が震える。
いつまで経っても興奮が覚めてくれない。
…なんか、あたし
あいつに恋したみたいじゃない?
…え? マジ?…あいつに?