俺はもう猫じゃない!
『わ~!山形監督どこで捕まえたの!?この子!?』
『赤崎くんの撮影してたら偶然見つけたんだ。撮りたい写真にぴったりだったんだよ』
目の前で起こっていることに俺はまだよく理解できていなかった。
山形さん?という叔父さんは、どうやらカメラマンで赤崎香也の写真集撮影をしていたらしい…。
『君!名前は?』
『柏木 秋です。』
『柏木くん!頼む!
香也の写真集にモデルとして参加してくれないか?!』
え!?俺が!?
『参加っていっても一枚だけ!エキストラ感覚でさ~!頼むよー!』
いやいや、気持ちは嬉しいけど
いきなり無理だろ。
『君、そんな顔してんだから、どっかの事務所はいってるだろ?』
「あの、すみません。俺、事務所とか入ってないです。せっかくですけど、お話し、お断りします。」
『え!?あ、柏木くん!!』
俺は、山形さんを無視して、つれてこられた大型車(たぶんロケバス)から降りた。