俺はもう猫じゃない!
高校3年の冬。
大学受験の真っただ中。
私は受験勉強に必死で、あまりギンタと遊ばなかった。
ある日、塾から家に帰ると、いつも玄関に迎えにくるギンタが来ない。
部屋中探しても見つからない。
私は町中を探した。
近所に住む、幼馴染の秋(アキ)にも手伝ってもらった。
どこをさがしても見つからず、絶望を感じていた。
ちょうどそのとき、目の前にある横断歩道の先にギンタの姿がみえた。
「ギンタ!!!!!!!おいで!!!!!」
私の声に反応していつものようにニャーと返事をしたギンタは私のほうへ走った。
「危ない!!!!」
秋の声と同時に私は気づいた。
ギンタが渡ろうとしている横断歩道が赤信号だったこと。
横断歩道を大型トラックが横切ろうとしていたこと。
ギンタはトラックにひかれた。