俺はもう猫じゃない!

「はるかさん、今日はいないの?」

「今日は料理教室の日で、疲れてたから、僕が店番変わったんだ」


雪斗くんは、にこっと笑った。
雪斗くん、 お姉さん思いだなぁ。

「ことちゃん、てるてるぼうずさんみたいだね」

「…え?」

「レインコートきてるから。」

雪斗くんはふふっと笑う。秋だったら、なんだと〜!とか言う私だけど、雪斗くんとなると、私はほんのり顔が赤くなる。

つまり、私は雪斗くんのことを、ちょっぴりいいな…と思ってるのだ。


彼は全体的に色素が薄くて、背はひょろりと高くて色白。そして、なんだか、ふわふわしていて、おとなしい。
でもなぜか存在感がある。


「雪斗くんだってレインコート着たらてるてるぼうずさんだよ!」

「ぼくはこんなに可愛いてるてるぼうずさんにはなれないよ」

そしてさらっとこんなことを言う。
最初は冗談かと思ったけど雪斗くんは本気でいうのだ。

いわゆる天然さん。なのだ。






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