俺はもう猫じゃない!
アパートに近づくにつれて、男の容姿がはっきりとみえてきた。
私と同じくらいの年の男の子。そしてパンクロックなファッション。髪は…白…いや、銀色だ。
しかも寝ている。大雨で体中ずぶぬれで…
「風邪ひきますよ…?」
小さな声で呼びかけても返事はない。
これってやばくない?この人寝てるんじゃなくて、気絶してない…!?!?
「だ…だいじょうぶですか!?!?」
肩をゆすり大声で呼びかけても、反応がない。
え〜!?こんなときどうすればいいの…!?
私はとにかく彼の意識を取り戻す方法を考えた。
………。
あ!ビンタしたら起きるかもしれない…!
「し、失礼します!」
私は右手を振り上げ、そして、男の子の頬はバチンと音をたてた。