俺はもう猫じゃない!
「俺、湖都にもういっかい会いたくて化け猫様にお願いしたんだ。そしたらうまれかわったんだ。人間の姿に!」
「ば、化け猫様…?」
う、うそだ…ギンタはトラックにひかれて死んじゃったんだよ!?
わたし、大泣きして…。何日も立ち直れなくて…。
「空のうえから湖都が悲しむのを見てて耐えられなくなったんだ。これからはずっと側にいれる。」
そんな目を潤ませて私を見ないでよ!
ずぶぬれの美少年なんて、なんだか見ていられない。
なんだかどんどん銀に見えてきた……。
いやいやいや!そんなわけないから!!
「し、失礼します!」
私は急いでアパートの中へ走った。
「あ!湖都!まてー!」
急いでエレベータに乗り込み、三階のボタンを押した。
こんなとき、秋ちゃんがいてくれたら…。