俺はもう猫じゃない!
エレベータが三階につき、自分の部屋へ走った。
絶対逃げれたと思ったのに…
「もう逃がさないよ。」
その男の子は私の部屋のドアにもたれかかって私を待っていた。
「な、なんで……!?」
ありえない!このアパートは階段が今工事中だから、ひとつのエレベータを使わないと三階へは上がってこれないはず。
ま、まさか…
壁をよじのぼってきたの!?
こんな短時間で!?
「元猫だからね。ジャンプして上がってきた。」
「あ、ありえない…。」
「とにかく中に入りたいんだけど…俺風邪ひいちゃう。」
くしゅんっと、可愛いくしゃみをした男の子はまた瞳を潤ませて私を見つめた。
信じられないけど、もしかするともしかして、この人は……ギンタ…?
「と、とりあえず中に入って!」
私は男の子を部屋に入れてしまった。