俺はもう猫じゃない!
「………… 。」
「なぁ、そろそろ信じてくれない?」
信じられない。私は彼に銀のキャットフードのメーカー、銀がいつも寝ていた場所、銀のお気に入りの場所など、たくさんの銀と私くらいしか知らない質問をぶつけた。
ありえないけど、彼はぜんぶ答えたし、答えた全てが正解だった。
「はくしょんっ!さむい…」
「あ、はい。バスタオル」
「ありがとう」
彼の洋服はビショビショだった。そして彼の歩いたフローリングも。
「私のジャージ貸すから、シャワーあびておいでよ。服は乾燥機にかけておくから。」
「……湖都?」
「私、まだ信じたわけじゃないからね!でもとりあえずそんなビショビショのままじゃ可哀想だから…」
「わかった。ありがと!」
にこっと笑った彼を私はバスルームに押し込み、ビショビショになったフローリングをタオルで拭いた。
そうだ!秋に電話しよう…!
これは私ひとりでは判断できない!