俺はもう猫じゃない!
プルルル…
何度かけても着信音が長く鳴るだけ。
たぶん事務所の人のお祝いで着信に気付いてないんだ。
どうしよう…。
「湖都?」
「え?…きゃあ!!」
振り向くと上半身裸で彼はたっていた。
腹筋がわれていていい体…
じゃなくて!!
「ジャージ貸したでしょ!?なんで着てないの!」
「ズボンはギリギリ入ったけど、上は小さくてジッパーが閉まらなかったんだ。」
「閉めなくていいから、とりあえず上から羽織って!」
わかったと言って彼はジャージに袖を通した。
「超きつい。他に服ないの?」
「それが一番大きいの!」
「湖都ってこんなに小さかったんだな。」
そう言って彼はクスクスと笑った。
「あんた、本当に銀なの…?」
「そうだよ。湖都に会いたくて化け猫様に人間に生まれ変わらせてもらったんだ。
ちなみに、生まれ変わった俺の名前は山吹銀(やまぶきぎん)。湖都と同じ18歳。今年誕生日がくれば19歳。」