俺はもう猫じゃない!
「ギンタ。起きないとごはんないよ?」
「……にゃ?……起きてるよ…」
「嘘。寝ぼけて猫語しゃべってる。はやく起きて」
私は銀を残して布団からでた。そして棚からコーンフレーク。牛肉とヨーグルトを冷蔵庫から取り出した。
「え?朝これだけしか食べないの?」
銀が起きてダイニングにやってきた。
「だって作るの面倒なんだもん。時間かかるし。早く食べて。遅刻するよ?」
「あ、そうだった。今日から俺、大学生。」
私は手早く朝食を食べて、顔を洗い身支度を整えた。
「湖都〜?まだ〜?」
「先に行っててよ!」
「やだよ〜!俺湖都と学校行くもん!」
そんなこと言ったって、今日は髪の毛がはねててうまくまとまらないんだもん!
もー!どうしよう…。
「ほら、貸して。俺がやってあげる。」
銀は鏡とにらめっこしている私をみて、クスクス笑ったあと、手早く綺麗なお団子ヘアをつくった。
「はい。できあがり。」
「え!きれい。銀ありがと!自分じゃうまくできなくて…」
「いいよ。ほら、いくぞ!」
銀は私の手をその骨ばった大きな手でつかみ、引っ張った。