HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
「う~いたぁい」


その場にうずくまった


ぶつけた足には血が出ていた


あ~最悪だよぉ


「キミ大丈夫?」
「だっ大丈夫です」


いきなり話しかけられて体が強張った


「いや、怪我してるじゃん。立って?」


話しかけてきた人に手をもたれてその場に立った


「あの、本当に大丈夫なんで」


その人の初めて顔を見た


優しい声だったのに、なのになんで...。!?


本当にあたしに話しかけてきた人!?


「いや、ここ座りなって」


声を聞くとやっぱりさっきの人だった


話しかけてきた人は男の人


彼の髪は茶髪で耳にはピアス


すごくチャラそう不良くんでした....


「遊?」


彼をぼ~っとみてると、遊に見えてきた


遊っとつぶやくと『えっ?』と彼が言った


「あっごめんなさい、彼方が弟と似てたから」


急いで謝ると彼は笑って『そっか』と言った


あたしがカバンから絆創膏を取り出すと彼は絆創膏を奪ってあたしの足にはってくれた


「あの、ありがとうございました」
「どういたしまして!」

彼はそ―言ってまた微笑んだ


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