HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
あの後あきちゃんは耳を真っ赤にしながら運転していた


「ありがとっ!」

「明日は?」


明日かぁ、何もないんだよね


「何もない!何かあったら電話する」


あきちゃんの小指とあたしの小指を絡めて指切りした


「やめろよ、恥ずかしいな」


とか言って、また顔を赤くした


ふふっと笑ってバイバイした


家の中へはいると遊の靴があった


「遊帰って来たの?」


今日はママが仕事で遅くなると言ってた


パパは出張で京都に行った


今日は一人だと思ってたけど、遊が帰ってきてくれて良かった


いま一人は寂しいし、何より怖い


なおちゃんがまたくるんじゃないかって思ったら怖くて眠れない


遊の顔を覗きこんでるとパチっと遊の目が開いた


「わぁ!」


驚いて後ろに体重をかけるとバランスを崩してその場に倒れた


「いたた...、ん?」

「なにしてんだよ」


遊があたしに手を差し伸べてきた


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