HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
ありがと、と言って手を握るとグィッと引かれて立たされた


ブーブー...ブーブー...


遊の携帯がなった


「マジかよ、分かった。いまから行く」


遊が慌ててリビングを出ようとしていた


あたしは咄嗟にしがみついた


「ねぇちゃん?」

「行かないで、あたしをひとりにしないで」


あたしのわがままだって知ってる


あたしがもっと強くならないといけないのは知ってる


でも、いまは怖いよ


なおちゃんがまた来たらどうすればいいの?


「ごめんねぇちゃん、俺行かなきゃ」


遊はあたしの手をはらって走って出て行った


鍵閉めよう、そして部屋にいよう


部屋に移動したとき、携帯がなった


「もしもし?」

『千紗?今から行ってもいい?』


電話の主は裕美だった


「いいよ、てかきてほしい」


裕美にそういうと、裕美は電話を切った


裕美がきたのは1時間後だった


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