HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
あの後、ゆうちゃんをあたしの部屋のベットに寝かせた


あきちゃんは、夜遅くに帰っていった


あたしは、裕美の隣に寝そべった


ゆうちゃんと裕美が寝息をたてて眠っている


この2人、すっごく似てる


綺麗な顔だなぁ、もてないわけないよね


裕美だって、最近いっぱい告白されてるし、ゆうちゃんだって周りの話しを聞いてるとかっこいいとか優しいとか言われてる


....あきちゃんだって、かっこいいし、喧嘩強いし、男らしいし、そんなところが大好きなんだけど、でも他の人にかっこいいとか言われたらいらっとしちゃう


ただの嫉妬なんだろうけど、いらってしてしまう自分がいやで仕方ない


あきちゃんたちばかりモテて、あたしはもてないなんて...何てあたしはかわいそうなんだろう


いやね?もてたいわけじゃないんだけど、裕美とかが呼び出しされるの見てたらあたしもあんなことされたいなって思うじゃん?


「...ん、千紗ちゃん?」


雄ちゃんがうっすらと目を開けてあたしを見ていた


「眠れないの?」

「うん、なんだか眠れない」


いつの間にかあたしは、自分の部屋のベランダに出て手すりに手をかけて星空をのぞいていた


「ごめん、寒かった?」

「いや、涼しい」


雄ちゃんが起き上がってあたしの隣に手をかける


同じ体制でなにも離さずにじーっと星を見ていた


ゆうちゃんは、この星空を見て何思ってるんだろう


まただ、またあたしは誰が波を思ってるのか気になってる


だめだめ、そんな人ばかり気にしてないで自分のこと考えないと!


「最近周りで変わったことない?」


いきなり口を開いたゆうちゃん



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