HAZE GRASS 〜かすみ草〜[完]
「ゆうさん、その顔どうしたですか」


ゆうちゃんの顔の傷を見て、遊の顔が曇った


「龍王にやられた、情けないよな。龍王相手にてこずるなんてよ。あきに助けられたよ」


悔しそうにゆうちゃんが顔をゆがませた


ピンポーン


次は、チャイムが鳴った


「遊、出てくれない?あたし手離せない」



あたしがそう言うと、遊は玄関を開けに行った


「あきさん!?」


ゆうの叫ぶような声が聞こえて持っていた端を落としそうになる


「あきちゃん?」

「そうみたいだね」


ゆうちゃんが笑いながらそー言った


「雄二、怪我はどうだ?」

「全然痛くない、大丈夫だ」


2人が微笑みあって笑い合っている


「千紗、お前はなにをしてるんだ?」

「お料理だよ!あたし料理ちょ―――うまいんだから」


出来たお料理をさらに並べた


急遽きた2人分のお皿を追加して食卓に並べた


「みんな座って?」


あたしがそう言うと、裕美が飛んできた


静かだと思ってたら、昔に入っていたドラマを見て感動していたらしい


「うっめ‼‼‼」


一人、また一人と“おいしい”の言葉が聞こえる


「でしょ~?あたし料理うまいんだから」


一人天狗になってるあたしだった


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